睡眠は体にとって様々な効果のある、とても重要な要素です。ですが、日本人は世界でもトップクラスの睡眠不足の人々です。調査によると日本人の5人に2人は睡眠不足を感じており、5人に1人は睡眠障害があり、14人に1人は睡眠薬を服用しています。それだけ日本人は睡眠に問題を抱えている人が多いのです。
近年では睡眠不足を超え睡眠負債と言われ始めました。
そんな睡眠はどんなことが重要なのか少しご紹介したいと思います。
病気の予防
睡眠不足が続くと様々なリスクが起こってきます。一つに病気にかかるリスクがあります。睡眠を十分にとっている人と比べてかかる確率が跳ね上がることが数々の研究からわかっています。
・がん 1.6倍~6倍
・脳卒中 4倍
・心筋梗塞 3倍
・糖尿病 2.2倍~3倍
・高血圧 2倍
・風邪 2.5倍~5.2倍
・認知症 2.9倍~5.2倍
・うつ病 2.5倍~5.8倍
・自殺 1.9倍~4.3倍
といったデータが研究から出されています。
睡眠が足りていないことで、免疫機能の低下を招き、生活習慣病や精神疾患にかかるリスクが上がります。また、寝ているときに脳や心臓を休めることができます。日中、活発に活動し続けなければならない、脳と心臓が休めるタイミングが寝ている時だけなのです。
体の回復
体の回復にも大いに関わっています。むしろ体の回復は寝ているときにしか起こらないと言ってもいいぐらいに重要です。
その際に重要になるのが成長ホルモンです。成長ホルモンは何も成長期など成長するためだけに使われるわけではありません。体の回復にも大いに関わってきます。
睡眠のゴールデンタイムと言われる時間をご存じですか?大体22時~2時の間の時間のことを言います。成長ホルモンが一番分泌される時間を言ったものです。
成長ホルモンは深い睡眠中に分泌が最大になります。人がもともと持っている体内時計の周期から、一番睡眠が深くなる時間帯と合致するためです。
脳への影響
睡眠は脳にも多大な影響があります。代表的なもので、
・脳の休息
・記憶の整理、定着
・認知症の予防
などがあります。
・日中活動することで様々な刺激が目や耳、皮膚から入ってきます。入ってきた刺激は脳へと伝えられ分析をし、判断されるわけです。睡眠中はそれらの刺激が減る為、脳を休めることができるのです。
・睡眠中に日中に覚えたことを整理し、定着させます。ハーバード大学の実験では記憶として定着させるためには、6時間以上の睡眠が必要とすると結果として出ています。
また短期記憶に関しても、睡眠をとらないグループと3時間の睡眠をとったグループでは倍近く結果に差が出ました。
・認知症、特にアルツハイマー型認知症は原因が特定されています。それがアミロイドβタンパクと言われる物質です。これが脳に溜まることでアルツハイマー型認知症となっていきます。ではなぜ、それが睡眠と関わってくるのかと言いますと、睡眠中に脳のクリーニングがされるからです。アミロイドβタンパクが除去されることで認知症の予防にもつながってくるのです。
時間
どれぐらいの睡眠時間がいいのか、気にはなりますよね。
大人の場合と子供の場合でも理想の睡眠時間が違います。
・0~3か月 14~17時間
・4~11か月 12~15時間
・1~2歳 11~14時間
・3~5歳 10~13時間
・6~13歳 9~11時間
・14~17歳 8~10時間
・18~64歳 7~9時間
・65歳以上 7~8時間
と言われています。
6時間睡眠を2週間続けると2日徹夜したのと同じ認知機能になるというデータもあります。
さらに、アメリカで行われた研究でバスケットボール選手に7時間睡眠と9時間睡眠でデータをデータを取ったところ9時間睡眠の方がシュート成功率の上昇など身体能力の向上も見られました。
また、体の痛みをとるのも6時間連続で眠らないと痛みが取れていかないというデータも調べられています。
そして、死亡率のデータでは、大人の場合6.5~7時間が一番長生きできるという研究結果もあります。ただし、病気で眠れない人も含めた平均値ではあるのですが、それを踏まえたとしても大人では6.5時間以上は欲しいところで、最低でも6時間以上は眠りたいところです。
このように時間も重要な要素です。認知機能、身体能力、さらに寿命と睡眠時間が短いというだけでもいろいろと体に関わってきます。
最後に
ほんの一部ですが睡眠の重要性を知って頂けましたでしょうか?
病気の予防、成長、身体能力、そして学習にも関わってくるぐらい睡眠というのは大事になってきます。
もしも、眠りたくても眠れないならば、眠れる体にすることが大事になります。
また、睡眠時間の確保が難しいなどがあると、いかに睡眠の質を上げられるかが鍵になってきます。
是非ご相談ください。